GREEN SALANA vol.7
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「野菜飲料」誕生物語発売当初の「緑黄野菜」「野菜を飲む」という時代の先駆けへ唯一無二の存在「緑黄野菜」誕生秘話伝統を受け継ぎ、未来へ発酵の力が毎日を支える※-             「野菜100%の飲料がほしい」という声に応えるかたちで誕生した「緑黄野菜」です。実はこの緑黄野菜、原料の一部が乳酸菌で発酵されているのをご存じでしょうか。乳酸菌が野菜本来のうま味と酸味を引き出し、にんじん特有の風味をやわらげることで、毎日でも飲み続けやすい味わいに仕上がっているのです。味を左右する乳酸菌の選定には苦労が尽きなかったといいます。佐藤さんは「ヨーグルトのように2種類の乳酸菌(桿菌と球菌)を組み合わせることで、酸味とコクのバランスが生まれました」と語ります。当時、日本で野菜を乳酸菌発酵させた野菜飲料はなかったこともあり、高度な技術と設備を必要とする画期的な開発だったそうです。また原料にも徹底的にこだわり、にんじんピューレを限界まで高配合。繊維や栄養がたっぷり含まれた濃厚な飲み応えは、他の野菜ジュースにはない特長です。開発に携わった佐藤さんが特にこだわったのが「毎日続けられる味」。その飲みやすさと継続性を支えたのが、発酵という技術です。「納豆や味□汁のように、発酵食品は毎日食べても飽きがこない。むしろ体が自然に求めるようになる。野菜飲料もそうあってほしかったんです」と話します。また、発酵によって消化吸収が促進されることにも着目。野菜の栄養素は細胞内に多く含まれているため、咀嚼や消化だけでは吸収しきれない部分がある。だからこそ、発酵というひと手間が「効き目」を高める□になると確信していたといいます。乳酸菌飲料製造会社での3年間の出向を経て開発に携わった佐藤さんにとって、緑黄野菜は、いわば「卒業論文」とも言えるほど思い入れのある商品となりました。現在のサンスターでは「緑でサラナ」などの新商品が登場し、機能性表示食品としての研究も進んでいます。「今は研究に裏付けられた機能性が重視される時代。特定保健用食品の『緑でサラナ』や、緑黄色野菜のGABAに着目し機能性表示食品化された『カラダにユウキ緑黄野菜』など、方向性は変わっても、毎日の健康を支えるという思いは、しっかりと受け継がれていると感じます」と佐藤さん。約40年前に始まった、サンスターの野菜飲料開発。その歩みは、ただの「飲みもの」ではなく、暮らしに寄り添い、人の生き方そのものを支えてきた「健康文化」の一端とも言えるのかもしれません。1985年、サンスターは「心身健康道場」を開設。次なるステップとして社内に下された指示は、そこで培われた健康法を科学的に解析し製品化すること。こうして「健康」をテーマにした新しい食品事業がスタートしました。最初に着目したのは、抗酸化作用が注目されていたβカロテンが豊富に含まれ、加熱しても品質を保ちやすい「にんじん」でした。味のバランスを整えるため果汁をブレンドし、誕生したのが記念すべき第1号商品「橙黄野菜」。その後「黄実野菜」も登場し、百貨店の通販カタログなどを通じて展開されました。次に開発されたのが、お客様からのSato Takehiko1983年サンスター入社。乳酸菌飲料製造会社「サングルト株式会社」への出向を経て、「緑黄野菜」の開発に携わる。スイス勤務なども経験し、2018年からは健康道場長として健康づくりに尽力。2024年8月退職。06発売当初の「橙黄野菜」発売当初の「黄実野菜」サンスター社員時代の佐藤さん高めの血圧を下げる機能が報告されているGABAを、有機野菜の成分として1本あたり12.3㎎含む機能表示食品として、従来より人気を博している味わいはそのままに新発売しました。サンスター健康食品「橙黄野菜」発売「黄実野菜」発売デザインリニューアル野菜センイ質27%から30%へ有機野菜100%使用に「有機認証」取得機能性表示食品「カラダにユウキ緑黄野菜」としてリニューアル新発売サンスター健康食品で開発された商品の一部をご紹介しています。そのルーツは、約40年前に始まったサンスターの野菜飲料開発にあります。「健康づくり」の理念のもとに誕生したその歩みを、開発当時、サンスター研究開発部に所属していた佐藤雄彦さん(2024年に退職)に伺いました。今や健康飲料として親しまれている「緑でサラナ」。佐藤 雄彦「緑黄野菜」発売商品開発の歩み1988年1990年1992年1995年1996年1999年2001年2022年野菜の力発酵の知恵

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