GREEN SALANA vol.5
4/8

まずは命を守るための備えをへの備えがあります。その一つ一つを明好きな食べ物を備え、消費し、また備えるも対応できるからです。今泉 マユ子管理栄養士・防災士・日本災害食学会災害食専門員Ii       maizumMayukoをなくす考え方は「フェーズフリー」と呼ばれ、近年の防災におけるキーワードにもなっています。そしてこのフェーズフリーを実現するための手法がローリングストック。普段食べる物を多めに買い置きし、賞味期限の古い物から消費、買い足すことで一定量の備蓄を確保する手法です。ローリングストックというと備蓄に目が行きがちですが、実は消費もとても大事な要素。賞味期限切れを防止できるのはもちろん、実際に食べてみることによる気付きがあるからです。例えばパスタを食べようとすると、パスタそのものだけでなく水、カセットコン付くでしょう。自分にとって何が必要か考え、備え、消費し、気付きをもとにまた備えるというサイクルを繰り返すことで、災害時に本当に役立つ物を備えられるようになるわけです。在宅避難時の食べ物を備える際には、量と種類だけでなく栄養について棚に並べられたレトルト食品や缶詰、野菜ジュース、畳の床下収納に納められたアルファ化米、押し入れや各部屋に置かれたペットボトルの水、部屋のスイッチに貼られた蓄光テープ。今泉さんのご自宅には至る所に災害るくハキハキとした口調で紹介してくださる今泉さん。大切なこととは分かりつつも目を背けがちな防災の話も、今泉さんと一緒なら前向きに考えていけそうです。たくさんの水や食べ物に目を奪われていると「災害への備えというと水や食べ物に目が行きがちですよね。でもまずは家を安全な場所にすることが大事なんですよ」と今泉さん。家の耐震補強はもちろん、家具の転倒防止対策、物の落下・移動防止対策などを講じ、命を守るために備えることが第一。次に情報を取得できるラジオなどを備えた上で、水と食べ物を備えて健康を守る。この順番を覚えることが、災害への備えの第一歩だそうです。災害時の健康を守るために、水と食べ物の備えは必須。とはいえ特に食べ物は選択肢が多い分、何をどのぐらい備えればいいか疑問に思う人も少なくないでしょう。備えと一口に言っても、在宅避難と避難所生活では必要なものが異なります。近年では自宅やその周辺の安全が確認できる場合、自宅で生活する在宅避難を推奨する自治体が増えてきています。在宅避難時に今泉さんが必要と考える食べ物の備蓄量は、2週間以上生活できる分。この量があれば、自然災害だけでなく新型感染症により外出できない場合などに一方でおすすめの食べ物は「自分の好きなものです」と今泉さん。普段食べて苦手なものは災害時にはもっと苦手なものに。普段食べて好きなものが災害時にもあって嬉しいものになるそうです。賞味期限などの条件重視で選びたくなってしまいますが、それ以上に「自分が好きで普段食べているものは何か」と考えて選ぶことが大事だといいます。このような日常時と非常時の区別ロ、カセットボンベも必要ということに気食の備えは、栄養の備えバランスや野菜不足を意識して「いつも」の先に「もしも」を見据えて無駄なく役立つ防災食の考え方04「もしもごはん」シリーズなど、著書は多数⚫プロフィール/株式会社オフィスRM 代表取締役。レシピ開発を行い、防災食アドバイザーとして全国で講演を行う。各種メディアに出演し、著書は「もしもごはん」「防災教室」など多数。

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る